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書籍:パブリック・スピーキング [2019/03/10 08:30] yusuke_komori |
書籍:パブリック・スピーキング [2019/03/10 19:35] (現在) yusuke_komori |
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====== パブリック・スピーキング 最強の教科書 ====== | ====== パブリック・スピーキング 最強の教科書 ====== | ||
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===== 第1章 「パブリック・スピーキング」の真価とは ===== | ===== 第1章 「パブリック・スピーキング」の真価とは ===== | ||
==== パブリック・スピーキングとは、自分の考え、存在を社会に広めることである。 ==== | ==== パブリック・スピーキングとは、自分の考え、存在を社会に広めることである。 ==== | ||
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自宅で家族とくつろいでいるときと同じようにリラックスした状態でステージに立ち、家族や友人たちに向けるような自然な目線で目を合わせ、微笑みかける。 | 自宅で家族とくつろいでいるときと同じようにリラックスした状態でステージに立ち、家族や友人たちに向けるような自然な目線で目を合わせ、微笑みかける。 | ||
==== コミュニケーションを取るうえで最適な服装とは ==== | ==== コミュニケーションを取るうえで最適な服装とは ==== | ||
- | もう一つ、コミュニケーションにとって大事なポイントが「ブランディング」。 | + | コミュニケーションにとって大事なポイントが「ブランディング」。 |
ブランディングができていると、コミュニケーションが取りやすくなる。 | ブランディングができていると、コミュニケーションが取りやすくなる。 | ||
講師だからスーツを着るというルールではなく、スーツはコミュニケーションのための単なる道具。 | 講師だからスーツを着るというルールではなく、スーツはコミュニケーションのための単なる道具。 | ||
セミナーでの服装という点においては、「相手の1つ上のレベルの服を着る」というのが、講師として最適なブランディングと言える。 | セミナーでの服装という点においては、「相手の1つ上のレベルの服を着る」というのが、講師として最適なブランディングと言える。 | ||
==== 途中で「ジャケットを脱ぐ」行為でギャップを生み出す ==== | ==== 途中で「ジャケットを脱ぐ」行為でギャップを生み出す ==== | ||
- | さらにコミュニケーションを取りやすくするためには、ある瞬間からジャケットを脱ぐ、というのもテクニック。 | + | さらにコミュニケーションを取りやすくするためには、ある瞬間からジャケットを脱いで、ちょっとカジュアルな服装になる。 |
- | ジャケットを脱いで、ちょっとカジュアルな服装になる。 | + | |
このテクニックは、心理学の用語で「ゲイン・ロス効果」と言う。 | このテクニックは、心理学の用語で「ゲイン・ロス効果」と言う。 | ||
ゲイン・ロス効果というのは、最初に抱いたイメージや印象に対してその後のギャップが大きければ大きいほど、相手に大きなインパクトを与えられる、というもの。\\ | ゲイン・ロス効果というのは、最初に抱いたイメージや印象に対してその後のギャップが大きければ大きいほど、相手に大きなインパクトを与えられる、というもの。\\ | ||
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理論的な実績の話のあとに、人の心を動かすストーリーを語るべき。 | 理論的な実績の話のあとに、人の心を動かすストーリーを語るべき。 | ||
これによって2つの人種、2つのパターンの人、右脳と左脳のどちらにも話が響き、短い時間で全員を巻き込むことができる。 | これによって2つの人種、2つのパターンの人、右脳と左脳のどちらにも話が響き、短い時間で全員を巻き込むことができる。 | ||
+ | ==== 強烈なビフォーアフター・ストーリーを用意する ==== | ||
+ | 変化があると思うと、人はその過程を知りたがる。 | ||
+ | 1回の登壇で最低でも3回、だいたい4~5回はギャップのあるストーリーを織り込む。 | ||
+ | ==== 会場に来る人たちが普段使っている言葉をリサーチしておく ==== | ||
+ | 相手のことを知らねば、適切なコミュニケーションは取れない。 | ||
+ | そこに来る人たちをリサーチしたうえで、その人たちに合わせて話す。 | ||
+ | ==== すべての聴衆に当事者意識を植え付ける魔法のテクニック ==== | ||
+ | いちばん相手の記憶に残る話し方としては、正反対の人たちに話しかける。 | ||
+ | 「女性」の次に「男性」、「お金を持っている人」の次に「では今から、お金がない人に」と振る。 | ||
+ | 正反対のターゲットを決めて話をしていくと、シンプルに会場全員を巻き込んだスピーキングが成立する。 | ||
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+ | ===== 第7章 「身体」「声」「言葉」の使い方をマスターする ===== | ||
+ | ==== 情報は「ボディランゲージ」「声の使い方」「言葉」の3点から伝わる ==== | ||
+ | === 「メラビアンの法則」 === | ||
+ | コミュニケーションで相手に伝わる情報は、視線やジェスチャーなどを含めた「ボディランゲージ」からが55%、テンポやトーン、大きさや口調も含めた「声の使い方」からが38%、残った7%が話の内容となる「言葉」である。\\ | ||
+ | 本当に大勢の人を巻き込みたいのであれば、演劇から学ぶのがベスト。 | ||
+ | ==== 聴衆に大きな影響を与えるボディランゲージの基本姿勢 ==== | ||
+ | ボディランゲージでいちばん重要なのは「姿勢」。 | ||
+ | 足の幅は、だいたい肩と同じくらいの幅で、自然に開く。 | ||
+ | 次に下丹田、つまり身体の中心の部分に、すべてのエネルギーが集まるのをイメージする。 | ||
+ | ==== ボディランゲージで相手にあらゆる印象を与える技術 ==== | ||
+ | === 「真実を語る」イメージを与えたい場合には、両腕を広げる === | ||
+ | === 権威性を示すパターンとしては、指を突き出す === | ||
+ | ただし、人に向けてはいけないので、多くの場合は地面に向けて突き出す。 | ||
+ | === 額の真ん中に当てた人差し指をさっと上に動かす === | ||
+ | 数値的なこと、信頼できるデータをもとにした話などに使う。 | ||
+ | === ときどきステージ上をゆっくりと歩きながら話をする === | ||
+ | 何か一つのテーマを説明したり、エピソードを語り始める際に足を止めると、自然と聴衆がその話に入り込むようになる。 | ||
+ | === 歩きながら急にクルッと向きを変える === | ||
+ | 何か新しいことを話すぞという期待が高まる効果がある。 | ||
+ | ==== 声の使い方次第でストーリーに厚みが出る ==== | ||
+ | まずは「シンプルに感情を込めて話す」というのをやってみる。\\ | ||
+ | 声の使い方で、学んでほしいテクニックは6つ。 | ||
+ | === 1.ピッチ === | ||
+ | いわゆる高い声、低い声といった、声の高さと低さを調整するテクニック。 | ||
+ | 使い分けをすることで、より豊かな表現ができるようになる。 | ||
+ | === 2.ボリューム === | ||
+ | 重要だと思っているポイントで大きな声で話す。 | ||
+ | === 3.ペース === | ||
+ | ゆっくりと正確に伝わることを意識して話すよりも、より速いペースで話したほうがコミュニケーション・エラーが起きにくい。\\ | ||
+ | 一方で特殊な例として、遅く話したほうがいいケースもある。 | ||
+ | 遅いペースで淡々と話すと、人は眠くなる。 | ||
+ | 眠くなるというのは、脳が変性意識、いわゆるトランス状態に入ることになる。 | ||
+ | この状態で、ちょっと力強く言葉をかけると、その言葉だけがスッと入るようになる。 | ||
+ | これは、催眠術や一種のスピリチュアル系、信者を獲得する宗教系の場合。 | ||
+ | === 4.強調 === | ||
+ | 言い切る、断言するような言葉を使う。 | ||
+ | === 5.間を取る === | ||
+ | 何か重要なキーワードを言う前に、一瞬、時間を置く。 | ||
+ | 時間にしてだいたい1秒、長くても3秒間くらい。 | ||
+ | === 6.呼吸 === | ||
+ | 切り替えのシーンで、少しフーッと小さく息を吐く。 | ||
+ | ひと呼吸をし、声のトーンを落として、話すスピードも変え、最後にちょっと間を開ける。 | ||
+ | これだけで、何となく「場の空気」ができる。 | ||
+ | ==== 聴衆を一瞬で支配する「どのくらい」と「もっと」の使い方 ==== | ||
+ | コミュニケーションを取るための質問を含めた参加型の言葉の使い方は、「サジェストロジー(暗示学)」といい、いろいろなパターンがある。 | ||
+ | サジェストロジーとは、質問だけではなく、さまざまな形でお客様に能動的に参加してもらえるような言葉の使い方。 | ||
+ | なかでもやはり重要なのは、参加型の質問「エンロール・クエスチョン」。 | ||
+ | ポイントは、お客様全体を巻き込むような質問の仕方をすること。 | ||
+ | やり方としては、つい手を挙げたくなるようなマジックワードを使うこと。\\ | ||
+ | たとえば、「このなかで、お金持ちになりたい人は?」という質問。 | ||
+ | この質問に「どのくらい」をプラスし、「このなかで、お金持ちになりたい人はどのくらいいらっしゃいますか?」と聞く。 | ||
+ | 「どのくらい」と聞かれると、自分以外も手を挙げることが前提になるため、手を挙げやすくなる。\\ | ||
+ | さらに、自分はもうお金も持っているし、それほど強くお金持ちになりたいとは思わない、という人も巻き込む場合は、「もっと」というワードも有効。 | ||
+ | 「このなかで、今よりもっとお金持ちになりたい人は?」と聞く。 | ||
+ | ==== 質問と「ありがとうございます」のセットを10回以上入れる ==== | ||
+ | 何か1つ質問をしたら、次に必ず正反対の質問もする。 | ||
+ | 必ず、イエス・ノーで分かれた2パターンの人それぞれ、つまり会場全員が当てはまるような質問の仕方をする。\\ | ||
+ | お客様にスムーズに参加してもらうテクニックとして、自分自身がまず手を挙げる。 | ||
+ | ことのき、常に一方の手を挙げるのではなく、質問ごとに左右交互に手を使うのがポイント。 | ||
+ | これは無意識のうちに、聴衆の右脳と左脳の両方を刺激する効果がある。\\ | ||
+ | エンロール・クエスチョンで忘れてはならないのは、質問のあとに「ありがとうございます」と発言する。 | ||
+ | ==== 一人の問題を常に会場全員の問題にするだけで一体感が出る ==== | ||
+ | 一般的な質疑応答では、質問をしてきたたった一人と会話をしている状態になってしまう。 | ||
+ | 「多くの人を行動させる」「お客様全員を行動させる」ためには、その質問を会場にいるみんなの問題にしていく。 | ||
+ | たとえば、お客様本人は当てはまらなくとも、知人友人が困っていたら教えてあげてください、といった風に。 | ||
+ | ==== 相手に「自分に関係がある」と思わせる言葉を選定する ==== | ||
+ | 好き嫌いではなく、自分に関係があると思うと、人は相手の言葉に耳を傾ける。 | ||
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+ | ===== 第8章 確実に相手の行動に変化を起こす「最強の伝え方」 ===== | ||
+ | ==== 相手を動かす3つの条件「EMS」について ==== | ||
+ | - E(エモーション/感情) | ||
+ | - M(メンタル/価値観) | ||
+ | - S(スピリチュアル/心情) | ||
+ | 良いスピーカーになるかどうかは、すべて土台となる内面部分にかかっている。 | ||
+ | テクニックは、その土台の上に乗っているに過ぎない。 | ||
+ | ==== 誰もが納得する価値観を打ち出して共感を作る ==== | ||
+ | 価値観とは、わかりやすく言えば、自分が人生において何を重要視しているか、何を大切にしているかといったこと。 | ||
+ | 家族、健康、友人、祖国といった、誰もが納得できる価値観をあえて打ち出す。 | ||
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