スピーカーとしてまずやるべきことは、「社会とのつながり」を作ること。 どんなに面白いテーマであっても、「つながり」がなければ聴衆には何も残せない。 「つながり」を作るとは、言い換えればコミュニケーションを取るということ。
人間にフォーカスを当て、毎回そこに来る人たちを徹底的にリサーチする。 お客様が求めているものと、こちらが言いたいことがずれていた段階で、どんな理論やテクニックも意味がなくなる。
パブリック・スピーカーは、来てくれた人を成長させ「人生を変える」人。
自分目線ではなく、常に相手の目線で考える。
まず、徹底的に市場をリサーチし、ライバルのやっていることを真似る。優れたビジネスとは、そこから「磨く」。 中古売買サイトの後発である「メルカリ」が成功できたのは、個人がより気軽に利用できるように磨いたから。 ライバルが多数いるというのは、そこにニーズがあるからとも言える。徹底的に真似てから「磨く」というのは、極めて成功率の高いビジネスモデル。
肥満、薄毛、失恋、アンチエイジングなど
悩みや問題が深いほど、人は多くのお金を払ってでも解決したくなる。
お金、快楽、美容、モテなど
富裕層向けビジネス
既存の商品よりもサービスや機能をシンプルにすれば、それだけで売れるコンテンツになる。
ネットだけでは問題が解決できないサービスは、より大きな価値を持つ。
払った金額以上のリターンが得られると思えば、お金を払いたくなる。
お客様の悩みや問題に対して、即効果が感じられるサービスが提供できるのであれば、それだけで注目度は高まる。
お客様がそれを欲しい状態になっていなければ、どんなに優れたウリでも意味がない。 「お客様の望む状態、理想の状態」を打ち出したウリを作る。
「理想のお客様」の年収、結構しているのか、していたら子供は何人いて、何歳くらいか、普段どんな雑誌を読んでいるのか、服装のイメージや趣味、好きな食べ物・・・など、できるだけ細かく人物像を設定する。 このとき、自分に合う合わないではなく、「こんな人にこそ来てほしい」と思える理想のお客様をたった一人だけ決める。 決めたら、その人が抱えている問題や悩みを抜き出していく。このとき、3つのカテゴリーで問題を考えるとよい。
それらの悩み、問題をノートに100個書き出してみる。書き出していくうちに、だんだんお客様の本質、解決すべきテーマが見えてくる。
自分はこんなことができる、こんなことをやりたい、という点からウリを決めると、そこだけでビジネスは終わってしまう。
人は本質的に、変化を「体験したい」「見てみたい」もの。 初心者は「行けば、××が手に入る。○○が変化する」という謳い文句を使ってみる。 変化さえ約束すれば、人は来る。
申し込みサイトに最低限、初心者でも書くべき3つの項目。
初心者ならこれで十分だが、しいて他に挙げるならば、「特典・ボーナス」。このセミナーに来ると○○がもらえるという、現物の内容。
初心者はあれこれ書かずに、「ここに来たらこれが手に入ります、以上」という内容の申し込みページがベスト。
一方、中・上級者の場合は、「それなりのお金を使って、WEB製作およびWEBマーケティングをすべてプロに任せる」。
代行会社で必要な費用としては、売れる文章が書けるライターさんとデザイン込でだいたい50万円くらい。
「ランサーズ」などのクラウドソーシングに依頼する場合の相場は、コピーライティングで20万円からが普通レベル、10万円台なら依頼してもあまり意味がないと思ったほうがいい。
私たちはお客様の問題を解決し、成果を与えなければなりません。 そこで必要になるのは、次の3つ。
スピーカーというビジネスではチームが欠かせない。少人数でやっていくとしても、ミッションやビジョンに共感してくれるサポーターは絶対にいたほうがいい。スピーカーにおけるリーダーとは、才能を導く人であり、相手を成長させる、結果を出す人。 良い情報や良いコンテンツよりも、良い環境さえあれば、人は成長できる。
リストも3つの種類に分けられる。
たとえば、ダイエットやお金、企業など、自分のコンテンツに興味がある人のこと。
過去に類似商品をすでに購入していたり、自分の商品、コンテンツを購入したことがある人。
何らかの形で、自分のビジネスを手助けしてくれる人のこと。
お客様はセミナーに行く前に、全員が全員、ネガティブな状態だと思ったほうがいい。 イベントやセミナーに参加したり、誰かの商品を買うことは、「痛み」を伴う行為。 わからないことには、人はお金を出そうとしない。だから、興味がある見込み客などに対して、「これは良いものですよ」「来ればもとが取れますよ」ということを理解させるための教育が必要。
大衆の理解を得るためには「小学4年生でも理解できるか」を意識する。 詰め込みすぎると相手の満足度は下がる。シンプルに必要なものだけに絞ることが重要。
リアルで人を集める方法として、皆さんに勧めたいのはジョイント、コラボをする手法。
コラボとは、2人、あるいは3人くらいの似たジャンルの人とイベントやセミナーを開くスタイル。
知らない人相手に、コラボしてもらえるような関係を築くには、初対面でそれなりの印象を残す必要がある。
リアルな場で出会って名刺を渡す際、もしくは名前を名乗る際に、必ず次の3つのことをすると良い。
ポイントは、一言で説明すること。
人たいちばん求めているのは利益であり、いわゆる「ベネフィット」。 ビジネスの場では、相手に対して自分が何を与えられるかを、はっきり言葉で示さなければならない。 だからまず、自分が何をやっているかを説明し、それから、相手が求めているお客様、見込み客がどんな層かを聞き出す。
お客様の層が自分とマッチする場合はコラボを提案する。 違う場合は、自分のお客様を紹介するなど、相手にメリットのある誰かを紹介できる人として、つながりを作る。
リアル、ネットを問わず集客をするとき、外してはならない考え方は、お客様が集中している場所に行くこと。 リアルにおいて、「釣り堀理論」を使った非常に効果の高い方法が、「ブースを出す」という戦略。 セミナーやイベントに足を運ぶようなお客様は、もともと成長欲求が高い人たち。
Facebookでやるべきことは「情報発信」。 何もしなければ次第に集客力は落ちていく。 リピーターが増えていない時点で、もはやビジネスとして成り立たない、発展しないと言っていい。
誰かを応援すると宣言した途端、一気にその人にまつわる人たちが味方になってくれる。 アンチが増えることを恐れる必要はない。 自分が発信しなければ、味方も敵も増えない。つまり、人が集まることもない。
自分の考え以外に、自分の日常のワンシーンも投稿するといい。 ただし、自分のコンテンツに関係しないことは書かない。
Facebook、Google、YouTubeの3つが基本。
セミナー当日だけで、ゼロから教育することは困難。 セミナー前に学習用のコンテンツを作っておくなど、事前に前提となる教育をしておくのが良い。 例えば、メールでニュースレターを送る、自己紹介動画を見ておいてもらう、事前のアンケートを取るなど。 動画であれば、セミナーに参加する人へのメッセージとして短い挨拶動画を。 アンケートは、来る人がどんな客層で、何を求めているのか、事前にリサーチをするのに有効。 年齢、現在何をしているのか、将来の夢は何か、など基本的な項目で構わない。
会場のすべての配置・設定に意味がある。
図や言葉を書いて説明する必要がある場合は、フリップチャートがオススメ。 形に残せるため、会場の壁に貼っておくことができる。 スクリーンを置く位置は真ん中が基本だが、聴衆から見て左側に配置することで右脳を働かせることができる。 会場での交流を図るためには、入り口でネームプレートを用意する。 アットホームな雰囲気にするには、ニックネームを書いてもらうのがよい。この際、色ペンを用意しておくのも一役買う。
紹介してもらうことで、講師としてのブランド価値が上がる。
いきなり話し始めるのではなく、まずは周囲を見渡す。 これにより、お客様とのラポール(心が通い合う、相互信頼の関係)を築く。
参加型の質問で、コミュニケーションを図る。
お客様が会場に来てくれたことに感謝する。
自分の名前を名乗り、講座名を言う。 ここまでのセットアップがあることで、聴衆に名前を覚えてもらい、興味を持ってもらえる。
明日の朝にはどんな未来が待っているのか、というイメージを伝える。
会場に来ているお客様はあなたの話に興味を持っていない、という前提でスピーキングを始める。
どんな良い未来が待っているかを話し、「それ、知りたくないですか?」と聴衆に聞いてみる。
たとえば「カリスマ・スピーキングができる話し方を知りたくないですか?」などと聞き、「ぜひ知りたい」と返したら、「では、これからそれをお話します」と語りだす。
お客様にちゃんと承認を取って、それではじめてあなたは話す権利を得る。
このコール&レスポンスをやることで、聞く態度が自然と整う。
心構えとして、お客様は自分の話に興味を持っていない、という前提で、スピーキングを始めるべき。 まずは、このセミナーでノウハウを知ると、どんな良い未来が待っているかを話し、「それ、知りたくないですか?」と聴衆に聞く。 それではじめて話をする権利を得られる。 このコール&レスポンスをやることで、お客様の聞く態勢が自然と整う。
「○○からの脱却」はヒットしたドラマ、映画で必ずと言っていいほど出てくる構造。 「コンプレックスからの脱却」「つまらない毎日からの脱却」など、何かから抜け出して、望ましい未来を得るというテーマを決める。 そのうえで、セミナーのコンセプト、世界観も考える。 ディズニーランドで言えば「夢と魔法の国」というように、観客と共有したい理想のイメージ。
ストーリーが切り替わる瞬間である「チェンジポイント」を、自分が語るドラマのなかにできるだけたくさん取り入れる。 チェンジポイントが多ければ多いほど、展開がスピーディになり、人は引き込まれる。 『スラムドッグ$ミリオネア』のような映画の予告編が、非常に参考になる。 予告編はたった数分間の映像で「この映画を観たい」と思わせるよう、チェンジポイントを詰め込んでいる。
ドラマベクトルの考え方をストーリーに取り入れる大きな理由は、お客様に共感してもらうため。 中途半端な痛みを見せても、大きな共感は生まれない。 だから、スピーカーは自分の弱さ、問題の深さを、修復不可能なレベルまでさらけ出す必要がある。
「眺める」のではなく、「目を見る」「目を合わせる」こと。 「人」を相手にコミュニケーションを取るためには、相手の目を見なければならない。 人間というのは、100%完璧なものには興味を持たない。 ほんのわずかな隙の部分があることで、はじめて共感を得ることができる。 「実は私には、こういうダメな部分がある」とアピールする人こそ、相手に好かれる。
アイコンタクトをしたら、相手の目を見て自然に微笑む。
重要なのは、「相手を大人だと思わない」こと。
小さな子供を前にしたら、人は必然的に笑顔になる。
相手をそのくらいの子どもたちだと思う。
自宅で家族とくつろいでいるときと同じようにリラックスした状態でステージに立ち、家族や友人たちに向けるような自然な目線で目を合わせ、微笑みかける。
コミュニケーションにとって大事なポイントが「ブランディング」。 ブランディングができていると、コミュニケーションが取りやすくなる。 講師だからスーツを着るというルールではなく、スーツはコミュニケーションのための単なる道具。 セミナーでの服装という点においては、「相手の1つ上のレベルの服を着る」というのが、講師として最適なブランディングと言える。
さらにコミュニケーションを取りやすくするためには、ある瞬間からジャケットを脱いで、ちょっとカジュアルな服装になる。
このテクニックは、心理学の用語で「ゲイン・ロス効果」と言う。
ゲイン・ロス効果というのは、最初に抱いたイメージや印象に対してその後のギャップが大きければ大きいほど、相手に大きなインパクトを与えられる、というもの。
「ジャケットを着る」というブランディングに対して、わざとラフな格好でギャップを生じさせるのも、ブランディングのもう一つの作り方。
ブランドというのは、このように2つの要素からできている。
ギャップがあればあるほど、相手の波動は高まる。
大きなギャップがあると、脳は混乱を起こし、人に新しい価値観を生じさせる。
ブランディングは、聴衆とコミュニケーションを取るためのもの。 プロフィールや自己紹介の内容も、相手に合わせてその都度変える。 適切な自己紹介、プロフィールというのは、相手とどうコミュニケーションを取るかを考えることから始まる。
同じ客層であっても、常にお客様には2種類の人種、2つのパターンが存在すると思っておく。 たとえば、男と女、お金がある人とない人、実績をありがたがるタイプ、実績だけでは動かないタイプ。 だから、実際の自己紹介ではもっと手順を踏んで、話に興味を持ってもらえるような構成を考える。 理論の部分とストーリーでは、それぞれ左脳(理論)と右脳(ストーリー)というように、働きかける部位が異なる。 理論的な実績の話のあとに、人の心を動かすストーリーを語るべき。 これによって2つの人種、2つのパターンの人、右脳と左脳のどちらにも話が響き、短い時間で全員を巻き込むことができる。
変化があると思うと、人はその過程を知りたがる。 1回の登壇で最低でも3回、だいたい4~5回はギャップのあるストーリーを織り込む。
相手のことを知らねば、適切なコミュニケーションは取れない。 そこに来る人たちをリサーチしたうえで、その人たちに合わせて話す。
いちばん相手の記憶に残る話し方としては、正反対の人たちに話しかける。 「女性」の次に「男性」、「お金を持っている人」の次に「では今から、お金がない人に」と振る。 正反対のターゲットを決めて話をしていくと、シンプルに会場全員を巻き込んだスピーキングが成立する。
コミュニケーションで相手に伝わる情報は、視線やジェスチャーなどを含めた「ボディランゲージ」からが55%、テンポやトーン、大きさや口調も含めた「声の使い方」からが38%、残った7%が話の内容となる「言葉」である。
本当に大勢の人を巻き込みたいのであれば、演劇から学ぶのがベスト。
ボディランゲージでいちばん重要なのは「姿勢」。 足の幅は、だいたい肩と同じくらいの幅で、自然に開く。 次に下丹田、つまり身体の中心の部分に、すべてのエネルギーが集まるのをイメージする。
ただし、人に向けてはいけないので、多くの場合は地面に向けて突き出す。
数値的なこと、信頼できるデータをもとにした話などに使う。
何か一つのテーマを説明したり、エピソードを語り始める際に足を止めると、自然と聴衆がその話に入り込むようになる。
何か新しいことを話すぞという期待が高まる効果がある。
まずは「シンプルに感情を込めて話す」というのをやってみる。
声の使い方で、学んでほしいテクニックは6つ。
いわゆる高い声、低い声といった、声の高さと低さを調整するテクニック。 使い分けをすることで、より豊かな表現ができるようになる。
重要だと思っているポイントで大きな声で話す。
ゆっくりと正確に伝わることを意識して話すよりも、より速いペースで話したほうがコミュニケーション・エラーが起きにくい。
一方で特殊な例として、遅く話したほうがいいケースもある。
遅いペースで淡々と話すと、人は眠くなる。
眠くなるというのは、脳が変性意識、いわゆるトランス状態に入ることになる。
この状態で、ちょっと力強く言葉をかけると、その言葉だけがスッと入るようになる。
これは、催眠術や一種のスピリチュアル系、信者を獲得する宗教系の場合。
言い切る、断言するような言葉を使う。
何か重要なキーワードを言う前に、一瞬、時間を置く。 時間にしてだいたい1秒、長くても3秒間くらい。
切り替えのシーンで、少しフーッと小さく息を吐く。 ひと呼吸をし、声のトーンを落として、話すスピードも変え、最後にちょっと間を開ける。 これだけで、何となく「場の空気」ができる。
コミュニケーションを取るための質問を含めた参加型の言葉の使い方は、「サジェストロジー(暗示学)」といい、いろいろなパターンがある。
サジェストロジーとは、質問だけではなく、さまざまな形でお客様に能動的に参加してもらえるような言葉の使い方。
なかでもやはり重要なのは、参加型の質問「エンロール・クエスチョン」。
ポイントは、お客様全体を巻き込むような質問の仕方をすること。
やり方としては、つい手を挙げたくなるようなマジックワードを使うこと。
たとえば、「このなかで、お金持ちになりたい人は?」という質問。
この質問に「どのくらい」をプラスし、「このなかで、お金持ちになりたい人はどのくらいいらっしゃいますか?」と聞く。
「どのくらい」と聞かれると、自分以外も手を挙げることが前提になるため、手を挙げやすくなる。
さらに、自分はもうお金も持っているし、それほど強くお金持ちになりたいとは思わない、という人も巻き込む場合は、「もっと」というワードも有効。
「このなかで、今よりもっとお金持ちになりたい人は?」と聞く。
何か1つ質問をしたら、次に必ず正反対の質問もする。
必ず、イエス・ノーで分かれた2パターンの人それぞれ、つまり会場全員が当てはまるような質問の仕方をする。
お客様にスムーズに参加してもらうテクニックとして、自分自身がまず手を挙げる。
ことのき、常に一方の手を挙げるのではなく、質問ごとに左右交互に手を使うのがポイント。
これは無意識のうちに、聴衆の右脳と左脳の両方を刺激する効果がある。
エンロール・クエスチョンで忘れてはならないのは、質問のあとに「ありがとうございます」と発言する。
一般的な質疑応答では、質問をしてきたたった一人と会話をしている状態になってしまう。 「多くの人を行動させる」「お客様全員を行動させる」ためには、その質問を会場にいるみんなの問題にしていく。 たとえば、お客様本人は当てはまらなくとも、知人友人が困っていたら教えてあげてください、といった風に。
好き嫌いではなく、自分に関係があると思うと、人は相手の言葉に耳を傾ける。
良いスピーカーになるかどうかは、すべて土台となる内面部分にかかっている。 テクニックは、その土台の上に乗っているに過ぎない。
価値観とは、わかりやすく言えば、自分が人生において何を重要視しているか、何を大切にしているかといったこと。 家族、健康、友人、祖国といった、誰もが納得できる価値観をあえて打ち出す。